賭けで動く恋
「薫さんから電話があったんです。
『加賀さんからもうモデル出来なくなったって電話があったが何があったんだ』って。
その電話を貰ってここに来ようとした時、妹に邪魔をされました。
妹は共働きの両親に代わって面倒を見ていたせいか私によくなついていて、私が恵実さんばかり見るようになって嫉妬したのでしょう。
激しい口論の間に腕の事と一昨年の事を聞きました」
「知っていたなら何で……」
まさか、そんな訳ないよね。
期待しないようにしてもどうしても期待してしまう。
「好きだ 恵実」
今日は泣いてばかりだ。
溢れ出てくる涙をそのままに見つめる私に淳さんが手を伸ばす。
「返事は?」
そんなの決まってる。
優しく涙を拭う淳さんの手に手を重ねる。
「好きです、淳さ……ン、ン」
頭の後ろに回された手は淳さんと私の唇をくっつけた。
初めて交わした口づけは、重ねた手と同じように少し乾燥してカサカサしてた。