賭けで動く恋

「喜べ淳!全て売約済みになったぞ」

「本当ですか?」

「こんな事、嘘で言うか!やったな淳」

そう言って何度も肩を叩いてる日比野さんをよそに、私と淳さんは顔を見合わせた。

私、変な顔してないよね。

「賭けは私の勝ちですね、恵実さん」

「賭け?何を賭けてるんだ?」

日比野さんの単なる好奇心での質問に顔に熱が集まる。

何を賭けてるかなんて、口に出来ない。

「気にしないで
「絵が全て売れたら恵実さんの乙女を頂く事になってるんです。
今夜が楽しみですね?恵実さん」

「淳さん!!」

誤魔化そうとした私の言葉を遮って発せられた淳さんの告白に、軽い気持ちで聞いただろう日比野さんは大きく口を開けて固まってしまった。
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