賭けで動く恋
「恵実、行くよ!」
百合さんが鋭い声で私を呼んで、足元のおぼつかない私の腕を引きながら店の外に出ようとする。
「ま、待ってください百合さん。お会計は?」
「テーブルに置いてきた。ほら、さっさと変態野郎から逃げるよ」
ぐいぐいと引っ張る百合さんに連れられて小走りになりながらお店から出て、すぐに捕まえたタクシーで駅に向かった。
丁度よくあった地元を通る新幹線の席に座った時、ようやく私達は落ち着いて息をついた。
「全くもう。何なのあの男!いい男だと思った過去の自分を殴ってやりたい」
脱力してシートにグッタリと身を預けた百合さんは苦々しい顔で握り拳を作って自分の膝を叩いた。
怒り心頭の百合さんの隣に座って私は首の後ろに手を回した。
どうしてあの人は私にあんな事をしたんだろう。