賭けで動く恋

「ああ、急に動いてはいけません。横になっていて下さい」

そう言って淳さんもベットに入って私を腕の中に抱えこんだ。

素肌にあたるシーツや淳さんの着ているバスローブの感触に気恥ずかしくなりながら、何を言うべきか戸惑って少し身動ぎする。

そんな私とは逆に落ち着きはらってる淳さんは静かに私の名前を呼んだ。

「恵実さん」

「はい?」

左肩に乗せた頭を上に向けて淳さんの顔を見て続きを待つ。

見つめあって待っていてもなかなか話し出さない淳さんにどうさたのか聞こうと口を開けたとき、淳さんはおもむろに空いている右手を枕の下に入れてベルベットの手に乗る小ささの箱を取り出した。

その箱に心臓が高鳴った。

まさか、ね………。
まだ付き合って2ヶ月だもん。そんな事ある訳ないよ…………。

浮かんだ考えをすぐに否定して淳さんに視線を戻す。

黙って視線を合わせて漂う沈黙の中、1つ深呼吸する音がして、そしてーー

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