賭けで動く恋
「結婚しましょう」
結……婚。
目を丸くして固まる私に、取り出した箱を差し出した。
「私達は付き合い初めてそう日は経ってません。きっとまだ知らない事も多くあるでしょう。
でも『見つけて』しまった以上時間は関係ない。
ずっと傍にいて欲しいし私も貴女の傍にいて支えたい。
……結婚しましょう、恵実さん」
紳士に告げる淳さんに躊躇う。
淳さんの事は好きだし、私の過去を知っても変わらずに好きでいてくれて理解しようとしてくれる事にとっても感謝してる。
私の淳さんへの気持ちが変わることはない。
だけど淳さんは分からない。
一緒に暮らせば気になる事も出てきてそれが理由で嫌になる事もあるだろうし……。
「恵実さん……」
不安からか眉をさげて覗きこむ淳さんに私は少し考えて笑った。
始まりがそうなら終わりもこれで決めるべきかな。