四日間の絆
三日目 ある計画
亮は早朝に美雪がまだ寝ている事を確認し、看護師さんと医師にあるお願いをした。その説得をするのにずいぶんと時間がかかった。
美雪の母に連絡をしてもらった。
すると、案外すぐに納得してくれて、
「いいですよ。少しの間ですが、美雪をよろしくお願いします。」と言ってくれた。
そして美雪の所にもどると日に日に痩せているのが分かった。
でも今日は調子がいいらしく、笑顔でこっちを向いて、“遅いよ?”と書いて紙を渡してきた。
だから、「ごめん。寝坊したんだ。」
と言ってごまかした。
そこで美雪は何となく亮の事に気付いていた。昨日ぐらいから亮の様子がおかしかったから。
そのときに〔 私たぶん死んじゃうんだろうな〕って直感でそう思った。
こうして、いろんなことを考えながら話していると、夜になっていた。
ふと、亮が黙り込んだ。
私は気になって“どうしたの?”って書いた。そしたら、「外に出ようか。」って言った。正直、うれしかった。
でも、不安になり“外に出てもいいの?”って書いたら、
「医師から許可を取ってるけど、行くのか?」と言われた。
私は笑顔で“いきます”って書いた。
そして外に出て、ほんの少し歩くと野原になっていた。景色は晴れるとすごくキラキラと輝く星空が見える、そんな場所だった。
「キレイ。」はじめて亮の前で言った。
「やっと美雪の声が聞けた。」と笑顔で言った。そう、これが亮の計画だった。
そして、「俺とあいかはずっと心友だからな。」と言った。
私は元気よく「うん!」と返事をした。その日はすぐに病院に戻り、亮とわかれた。
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