ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ 【完】
4日前、静岡県の、とある公園。
発生時刻は深夜3時22分。
通り魔に遭った、ふたりの女子高生がいたという。
すぐに病院へ搬送され、ふたりとも命に別条はなかったが、事件については、『なにも覚えていない』の一点張り。
後の捜査で、彼女たちが仲のよかった友人3名が、三夜連続で不可解な死を遂げていたことがわかった。
「それって……もしかして!?」
俺の言葉に、宇治木は手帳を開いて見せる。
「長谷川菜摘、前原ことみ」
浦野はその名前に、大きな丸印をしていた。
「あぁ……このふたりもやっていたんだよ、真夜中にやる”ダルマさんが転んだ”を!」
「ま、まだ生きてるんですね!?」
思わぬ情報に声が声が上ずる。
「県警に問い合わせた。事件後は部屋に籠ったままらしいが、まだ生きている」
俺は拳を握りしめた。激情はそれでも足りず、無意識に立ちあがる。
「どこですか!? 静岡の!?」
「焦るな、今からキミを彼女らの家へ連れていく」
「っし!」
呪いの終結に向けて、突如、歯車は動きはじめた。
……沙奈を助けられる。かもしれない……、いや、絶対に助けるんだ!
「す、すぐに準備しますから!」
――ドタドタドガッ!
「イ゛タッッ!」
階段を駆けおりる途中、腕をぶつけた。
「フ……だからー、焦るなって!」
自分の部屋へ行き、お気に入りのシャツに袖を通しきるのも待てずに下へ降りた。
「あ!」
……あれを持っていこう。
再び階段を駆けあがる。置いたバッグを手に取り、家を出た。
「……それはなんだい?」
車中、宇治木は助手席で俺がバックの中から取り出した物に興味を示す。
「磨理子さんの日記です」
「日記……」
それから話しかけてくることはなかった。
俺は静岡に着くまでの時間、磨理子が紡いだ言葉を読み続け、事件を紐解こうと躍起になる。