ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ 【完】
「今でもわからないことがあるんです」
「わからないこと……?」
「はい。消える直前に”アレ”が言ったんです。”サ・ホ”って」
「サ……ホ?」
「はい。私も菜摘も痛くて悶えてたから、正確に聞き取れなかったのかもしれないけど……そう言って消えたんです」
……サホ。 女?
また新たな謎が出てきた。
その名前の女を探せというメッセージなのか、それとも……は思い浮かばない。
今はただ、助かる方法を沙奈に伝えたい一心だ。
「調べてみるよ! ……今日は話してくれて、本当にありがとう」
もう一度お礼を言って部屋を出たが、玄関の前が騒々しい。
「帰ってと言ったはずよ!」
……ヤバッ!
――ガチャ。
「お母さん! 少し落ち着……」
「「「ぁ……」」」
俺がドアを開けた瞬間、全員の時間が止まる。
「……これは、いったい、どういう、ことかしら!?」
「ええっと……」
「警視庁の方よね? このことは厳しく言及させていただきますから! 警察が家宅侵入するなんて……言語道断です!!」
「本当に申し訳ございません!」
「僕が勝手に! 宇治木さんは、なにも悪く……」
「ママ!」
そのとき、凛とした、ことみの声が響く。
その声がする方へ皆が視線を向ける。
「……ことみ!?」
母親の表情は一瞬で晴れた。
「私が招き入れたの。この人たちは悪くないよ!」
「あなた……部屋から出れるようになったの?」
「うん、もう大丈夫!」
ふたりは座りこみ、抱き合って泣いていた。
その頬を交互に舐める愛犬。
俺たちも、いろんな意味でホッと胸を撫でおろす。
……さぁ。
この余韻に浸ったままで終わらせてしまおう、呪いのゲームを。