ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ 【完】



「今でもわからないことがあるんです」

「わからないこと……?」

「はい。消える直前に”アレ”が言ったんです。”サ・ホ”って」

「サ……ホ?」

「はい。私も菜摘も痛くて悶えてたから、正確に聞き取れなかったのかもしれないけど……そう言って消えたんです」

……サホ。 女?

また新たな謎が出てきた。

その名前の女を探せというメッセージなのか、それとも……は思い浮かばない。

今はただ、助かる方法を沙奈に伝えたい一心だ。

「調べてみるよ! ……今日は話してくれて、本当にありがとう」

もう一度お礼を言って部屋を出たが、玄関の前が騒々しい。

「帰ってと言ったはずよ!」

……ヤバッ!

――ガチャ。

「お母さん! 少し落ち着……」

「「「ぁ……」」」

俺がドアを開けた瞬間、全員の時間が止まる。

「……これは、いったい、どういう、ことかしら!?」

「ええっと……」

「警視庁の方よね? このことは厳しく言及させていただきますから! 警察が家宅侵入するなんて……言語道断です!!」

「本当に申し訳ございません!」

「僕が勝手に! 宇治木さんは、なにも悪く……」

「ママ!」

そのとき、凛とした、ことみの声が響く。

その声がする方へ皆が視線を向ける。

「……ことみ!?」

母親の表情は一瞬で晴れた。

「私が招き入れたの。この人たちは悪くないよ!」

「あなた……部屋から出れるようになったの?」

「うん、もう大丈夫!」

ふたりは座りこみ、抱き合って泣いていた。

その頬を交互に舐める愛犬。

俺たちも、いろんな意味でホッと胸を撫でおろす。

……さぁ。

この余韻に浸ったままで終わらせてしまおう、呪いのゲームを。



 
< 138 / 161 >

この作品をシェア

pagetop