ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ 【完】
呪いのゲームを始めてから次々と仲間が死に、最後にふたりだけが残った。
そもそもの、”ダルマさんが転んだ”のルールから考えて、繋がれた小指を切られることが終わりの儀式だと推測したふたりは、呪いの連鎖が始まるきっかけとなった公園に赴いたという。
午前3時3分。
その光景は容易に想像できる。
「ダルマさんが転んだ」を復唱すると、すぐに”彼女”は現れた。
恐怖と闘うふたりのもとへ、ジリジリと近寄る磨理子。
そして……。
「噛み切られた!?」
俺はつい声を荒らげる。
「はい」
「っ……」
「あまりにも痛くて泣き叫びました。そんな私たちを、”アレ”は笑って見ていたんです」
「で、でも! すぐ病院に行けばどうにか……ぇ、こ、ことみちゃん!?」
彼女は、震える肩を自らの手で抱いて止めようとする。
それでも、髪まで小刻みに揺れていた。
「大丈夫!?」
「思い゛出すだけでも、怖くて怖くッて……」
「ごごめん! もう聞くのはやめるよ! キミは、キミたちは助かったんだ、な、そうだろ? もう安心していいんだよ!」
俺は慰めるので必死だった。畏怖する理由を聞くよりも……。
「もう大丈夫だよ!」
――クゥーン……。
「ほら、コイツだって『元気だせ!』って言ってる」
「グズッ……は、はぃ……」
いつの間にか足もとに来た飼い犬を抱き寄せ、彼女は笑って見せた。
その眩しいほどの笑顔に瞼を閉じたくなる。
……あとは……。
今の俺に必要なモノ、それは沙奈に話す勇気。
「ありがとう。キミのお陰で、大切な人を失わなくてすむよ!」
俺はドアノブに手をかけながら、感謝の思いを告げた。
「待ってください!」
「ん?」
振り返ると、腑に落ちない表情の彼女。
心がザワつく。