ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ 【完】
東京へ帰り着いたのは、午前1時。
沙奈の家の近くで車を降りる。
「3時、迎えにこようか?」
「いいです。始めたのは僕たちの責任だから、自分たちでケジメをつけます」
「じゃあ……僕はもうお役御免かな?」
宇治木は少しさびしそうな顔をした。
「そうなるといいですけど……」
俺も同じだ。
走りだす車を見送り、携帯で電話を掛ける。
――プルル……。
『はい』
……早っ!
『沙奈?』
『うん……』
『起きてた?』
『……眠れると思う?』
『そ、そうだよね……』
『……もう、電話来ないかと思ってた』
『ごめん』
『『…………』』
半日ほどしか経っていないのに、俺たちの距離はぐっと遠くなった気がする。
『今から会えないかな……? 大事な話があるんだ』
『大事な話?』
『そう。家の前にいるから』
『……わかった』
10分後、沙奈は泣きながら家を飛び出してきた。
「どうした!?」
「ううん、なんでもないよ! 行こっ」
俺の手を取り、無理やり笑顔を作ろうとする沙奈。
……様子が変だ。
「沙奈!」
俺は立ち止まる。
「なにがあった!? 正直に話して」
「……けいたに、敬太に会いたかったの! ただ、それだけだよ」
結局その涙に連敗し、それ以上聞くことはしなかった。