ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ 【完】
思えば、こうしてふたりっきりでファミレスに来たのは初めて。
今日はなにも食べていなかったことに気付いたが、今は空腹を満たしている場合じゃない。
「「…………」」
正面で、俺の言葉をじっと待つ沙奈。
……どうしよう。なにから話せば……。
彼女が怯えないように説明する順序が見当たらない。
ほんの少しでも安心させるために、
「沙奈、手を出して」
テーブルの上にある小さくて白い手を強く握った。
「いい……? これから言うことをよく聞いて」
「……うん」
「ただ一つの助かる方法が、わかったんだ」
これあと重い話をしなければいけないから、沙奈の喜びが爆発しないよう、冷静に言葉を紡いだつもりだ。
それでも、
「なになに!?」
と沙奈は嬉々とした表情で俺を見る。
「敬太……?」
俺はあえて視線を合わせなかった。
今から残酷な言葉を突きつけるのだから。
この弱々しい小指を犠牲にしてしまうことが、たまらなく苦しい。
「あのな……」