ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ 【完】
いよいよ都市伝説を検証するときがやってきた。
「座った方がいいのかな? ……服が汚れちゃうじゃんね」
佑美は携帯の画面を見ながら、つぶやいた。
「女子か!」
俺がすかさずツッコむと、
「女子だ!」
と佑美がニカッと笑って言った。
「どうせ、なにも起きやしないさ!」
「……川本さんって頼もしいわ!」
自信たっぷりな川本くんに、危機感のきの字もなくオネエになる小泉。
結局、立ったまま俺たちは横並びに一列になった。
3時2分30秒。
「…………」
怖がりな沙奈は、刻々と近付く時間に怯えた表情。
力強く握られた小指から、その心情がひしひしと伝わってくる。
「沙奈、大丈夫?」
「うん……。信じてないけどさ、いざとなるとドキドキするね!」
実は意外と好奇心旺盛。俺の知らない彼女の一面を見る。
「3時3分!」
瞬時に顔が強張る面々。
興奮の表れか、その時間を告げる俺の声は公園内にこだました。
「よし、行くぞ。だ・る・ま……」
すぐに川本くんの声で、ゲームが開始される。
「……うわぁ! なんだ、コレ!」
が、突然その声は中断。
彼は、木の方ではなく俺たちの方を向いていた。
「えっ、なになに!?」
ギョッとしたように、周囲の様子をうかがう挙動不審な由香里。
一番驚いていたのは、川本くんのすぐとなりにいる小泉だ。
「ど、どうした!?」
どもった声が焦りを感じさせる。
「……コレ、小学生以来。なつかしくて、ちょっと感動!」
「「は!?」」
「もぉ~う、驚かさないでよ!」
みんなの恐怖を手玉に取っているかのように、ほくそ笑む川本くん。
「悪りぃ! じゃあ気を取り直して……だ・る・ま・さ・ん・が・こ・ろ・ん・だ!」
ゆっくり、そして強く。
彼の声は闇が支配する公園の中に響き渡った。