ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ 【完】
「もうそろそろだ」
俺の言葉に、佑奈がこっちを見る。
「これって、鬼に捕まった状態から始めろって意味よね……だったら、川本くんと誰かが小指を繋がなきゃ」
「……じゃあ、次は俺かな」
と、となりにいた小泉が川本くんと小指を繋ぐ。
俺はこのとき、こっそりと立ち位置を移動していた。
あわよくば、沙奈と小指を繋ぐため。
「次は……、あたしかな」
佑美が小泉と、小指を結んだ。
「じゃあ……」
由香里が佑美と繋ぎかけたそのとき、俺は違和感を持った。
「ちょっと待って! なんで鬼から縦に並んでんの? 普通、横並びでしょ?」
「嘘ー! それ、地方ルールじゃん?」
佑美が俺を小バカにするように言う。
「生粋の東京人だっつうの! 多数決取るか?」
「いいよ!」
「んじゃ、縦の人?」
「「……はい」」
結果は佑美と小泉だけ。
4対2。
「フン、横並びで決まりだな」
俺は佑美に顎をあげてみせた。
すると彼女はプイッとそっぽを向く。
「じゃあ、次は私」
由香里が改めて佑美と小指を繋いだ。
自分の番が回ってきた沙奈は、不安そうな顔で由香里の指を頼る。
そして……。
「敬太、はい!」
……これを待ってたんだ!
「ぉ、おぅ」
姑息な策略が功を奏したことなど微塵も感じさせないようなポーカーフェイスで、俺は小指を伸ばす。
これにて計6名、参加者全員の数珠繋ぎが完成。
時刻は3時2分。