ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ 【完】
川本くんを好きだったはずの佑美が泣いていない理由は、多分”自分のせいだ”と責める気持ちが、今は一番にあるから。
俺と似ている。
「…………」
「なんで黙ってるの……?」
……まさかそんなわけ……、でも。
「沙奈、ちょっとごめん」
俺は彼女の身体を引き離し、佑美の手を引いて教室を出た。
「ぇな、なに!?」
「いいから! 来い!」
他の生徒のいない屋上を選ぶ。
少し息のあがった佑美と向かい合った。
「ハァ……ハァ、ン゛。なんなの!?」
「あのゲームの画面メモ、どこで拾った?」
「え……あ、都市伝説の掲示板を漁ってたら偶然。だけど、どういう経緯であそこに行ったのかは、よく……」
「ひとつだけ助かる方法があるって書いてあったよな?」
「う、うん」
「あのゲームを終わらせる方法を見つけてほしい。あと、画面メモを今すぐメールで送ってくれ」
「じゃあ、まさか……」
「ああ、俺もまだ戸惑ってるよ。信じたくないし、信じろっていう方が無理だ。でも……、呪いが本物だとすると、今夜の鬼は小泉。アイツを守らなきゃ」
「ぅ、うん……わかった」
「佑美、頼むぞ!」
今にも恐怖に押しつぶされそうな声に、喝をいれる。
それは自身の不安に打ち勝つためでもあった。
教室に戻り、席に座っている沙奈の前に立つ。
「あ……さ、さっきはごめんね」
俺の胸に飛びこんでくるなんて、夢にも思っていなかったこと。
だが、そんな彼女を粗末に扱ってしまったような気がしていた。
「べつに……ぁ、由香里!」
――ガタッ!
席を立って、逃げるようにいなくなる沙奈。
俺自体は、粗末どころか邪険に扱われた。
たった5分で天と地の差。
これだから、女心はよくわからない。