ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ 【完】
「それはなんや?」
外で待っていた今川は、俺の手が抱える物に興味を示した。
「伊達磨理子さんが生前に書いていた日記です」
「日記?」
タバコを地面にこすりつけ、すぐに車に乗りこむ。
「へぇー! エライもんを手に入れたね」
浦野も食いつく。
「はい。母親が俺たちに託してくれました」
後部座席に沙奈とふたり乗りこむと、車は走りだす。
俺は、日記を開く前に深呼吸をした。
理由はふたつ。
今のところ、他に手がかりがない俺たちにとって、これが唯一の希望であるということ。
そして、今度は磨理子自身の言葉で語られる、壮絶な人生を目の当たりにするからだ。
……心を落ち着かせなきゃ、踏みこめない。
そんな俺には興味を示さぬように、外の景色を眺める沙奈。
「沙奈は見ないの?」
「私はいい。話を聞いただけで十分。……もうあんな怖い思いはしたくない」
うっすらと涙を溜めた瞳。
「……そうだね。沙奈はよくがんばったよ!」
俺は彼女の頭を撫でた。
「ありがとう、沙奈」
「敬太……」
ひとりじゃ受け止めきれないと不安だった心が、沙奈のおかげで強くなれた。
……よし!
決意とともにノートを開く。