七赤村
その家は、どこの民家よりはるかに古く、誰も住んでいない。
・・・でも、それは人間の話。
この家には、人間じゃないものが住み着いている。
僕が引き戸に手をかけて開けると、ギギギ・・・と不気味な音を立てて扉が開く。
中にはもう全員揃っているようだった。
「圭と沙由か?」
誰かの声が聞こえる。
「はい」
返事をしてから、声の主は、隣に住んでいる右京さんだと気づいた。
僕と沙由は、一番後ろに腰を下ろした。
この室内を照らすのは、ロウソク1本だけ。
僕たちのところまでは、もうすでに光は届いてこない。
「では、全員揃ったので・・・・始めましょうか」
老人の声が響く。
その声が、僕に重くのしかかってくるような感じがした。