七赤村


「ヒトクイ様」

一人、大きな声が部屋に響き渡る。

それに続き、ここにいる人々全員が言う。


「「「「ヒトクイ様」」」」



僕は唇を噛んで、ただただ下を向いていた。

こんなのに加わりたくなんかない。


声はまだ続く。



「生贄です」


「「「「生贄です」」」」



木の箱の中で暴れる音が激しくなる。

くぐもった悲鳴は、泣き声に変わっていた。




「どうぞ、お食べ下さい」

「「「「どうぞ、お食べ下さい」」」」



最後の声が響く。


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