イジワル王子と屋根の下
ー
「……」
「……」
そして早々に仕事をあがり、瞬と二人帰るべく駅の中を歩く。
「…いきなりどうしたの?瞬が自分から来るなんて…しかも彼氏のフリして」
「元々はどっかの誰かが人のこと彼氏って言ってたせいだけどな」
「うっ!」
ギクッとする私に、瞬はこちらを見ることなく歩き続ける。その表情に、先程の優しさはない。
「誘われてホイホイついて行こうとしてんじゃねーよ、バカ」
「へ?何で大野さんに誘われたこと知って…」
「何でも。…本当尻軽女だな」
「尻軽…!?失礼なこと言わないでよ!!」