イジワル王子と屋根の下
「いや…でも、ほら、ようやく慣れてきた所だしさ、ここでの生活も悪くないかなー、なんて…」
「どうせどこ住んだってすぐ慣れるっつーの。しかもこの近くなら大して変わらないだろうが」
「けど…」
「けど?」
「…、…」
ああ、ダメだ。
彼の言うことは正論で、反論する隙もない。
(…なん、で)
望む言葉は、出てこないの。
「…出た方が、いいかな」
「……」
どうし、て
「…当然だろ」
「…っ…」
小さく頷く言葉に、私はバンッ!とテーブルに箸を叩きつける。