イジワル王子と屋根の下
(あんな素敵な上司がいると、ますます仕事頑張れるよね…!)
思わずだらしない顔になるのを必死にこらえる私に、宮本さんは気付いたように呟く。
「あ、じゃあ水谷さんって上京してきて一人暮らし?」
「え!?あ、うん…まぁ、」
「いいなぁ~、一人暮らし!羨ましい~自由だし楽だし最高じゃん!」
「そ、そうだね…あは、あはは…」
その言葉から思い出すのは、自宅に帰ってからの現実。
そうです。
一人暮らしだったら、どんなに素敵な生活だったでしょうか。
そう、『一人暮らし』だったなら。