イジワル王子と屋根の下



「どうしても表札つけたいなら紙に苗字書いてドアに貼り付けとけ」

「えっ、いいの!?」

「…お前にプライドはないのか?」



そう靴を脱ぎ家にあがりながら見てみれば、その手にはコンビニの袋。



「あれ、亀戸さん…」

「…瞬でいい」

「へ?」

「亀戸さん、って堅苦しすぎ」

「……」



不意打ちで、縮まる距離。



(…名前呼び、いいんだ)

そういうの、なれなれしいって怒るかと思ったのに…。



「じゃ…じゃあ瞬、で」

「呼びづらいようなら『ご主人様』でもいいけど」

「瞬で!!」



ヤダこの人!やっぱ考えがサドなんだ!!


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