Summer memories
途端に、恭介の体は震え出した。


「恭介っ?どうしたの?」



「いや、大丈夫。」


すると、恭介は手に持っていたマシュラムを
落とした。


「あっ……。」


恭介はそれを拾おうと、手を伸ばすと、


大輔が恭介より先にそれを拾い、
恭介に手渡した。


「サ、サンキュー。大輔。」


「なあ、恭介。どうしたんだよ?」



「………今から言うことはマジなんだ。
ちゃんと、聞いとけよ。」




ゴクリと唾を飲み込んだ。




この時まで、恭介の大事な話を甘く見てた。





「実は俺……………。」




うみねこの鳴き声が聞こえた。




いつも、


いや、これから先も、



この三人でいようって思ってた。



そりゃあ、いつかは別れるかもしれない。



でも、この三人以外ありえなかった。



この三人の中から一人いなくなるなんてことも、


ありえないと思ってた。



それも、こんな形で………。




「おい、今なんて言った……?」



あたしも、なんて言ったか分からなかった。



「だから、








俺、末期癌で、











あと、一ヶ月しか生きられねぇ。」
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