「約束」涙の君を【完】
すごい大きい……
こんなに近くで見たの初めて……
隣の祥太を見上げると、目が合って、
ちょっと笑ってくれたからホッとした。
さっき私から繋いだ手を離してしまってから、
手を繋いでくれなくなってしまった。
祥太は、私が彼女って思われても迷惑じゃない?
私が隣にいるのを、
高校の女の子たちに見られて嫌じゃなかった?
祥太は、私のこと、
どう思っているの……?
大きな花火を見ながら、
そんなことを考えてしまっていたら、
突然、
後ろから、ぎゅっと抱きしめられた。
祥太は私の頭の上に、顎をのせていて、
私の両肩をぎゅっと抱きしめてきた。
花火を見ていたんだけど、
なんだか恥ずかしくなって、上を向いていられなくなってしまった。
下を向くと、自分を抱きしめている祥太の腕が見えて、
その男らしい腕に、
もっとドキドキしてしまった。
「俺、どうすんだよな……
優衣が高校来たら、
俺ほんと、どうすんだよな…」