「約束」涙の君を【完】

放課後





放課後



「また来んのぉ???またうち?」



「あ、悪い。私はこれから彼氏と会うから無理」


杏は化粧も直して、髪もくるんくるんでいつも以上にかわいく見えた。



「いいだろー?勉強わかんねーし。


あおい教えろよ」


賢人くんはバッグを肩に掛けて、あおいの机に腰掛けた。


「ったくしかたないなぁ。行くよ、ほら」

あおいがバッグを持って立ち上がると、賢人くんは机から降りて、あおいの肩を組んだ。



「さわんな、ばか!」


あおいは、嫌そうにその手を払った。



「優衣は?祥太の家?」


杏が私と祥太の顔を交互に見ながら聞いてきた。




「ううん、今日は教室に残って勉強するって……祥太が」



「ふ~ん」


「家だとな!祥太……な!

こう……いろいろと……ムラムラ……」



あおいが賢人くんの胸ぐらを掴んだ。




「賢人……出禁にするぞてめぇ」



「んだよ、冗談だよ。


こんなんじゃ、手も出せねーよ……」



あっ……もしかして賢人くんて、

あおいが好きなのかな……



「じゃあ、また明日ね優衣。

ほら行くよ、賢人」


あおいと杏が手を振って教室を出て行くと、

後を追うように賢人くんも出て行った。




そして、教室に祥太と二人きりになった。




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