「約束」涙の君を【完】
呼吸が落ち着くまで、
ずっと抱きしめてくれた。
抱きしめてきた祥太も、息が上がっていて、
胸の中にいた私は、祥太の呼吸のたびに、
揺らされた。
しばらく何も言ってくれないから、
どうしようって思った。
大丈夫だったかなって、
嫌われてないかなって。
顔を見ようと思って、胸から離れようとしたら、
ぎゅっと強く抱きしめられた。
「祥太……?」
呼んでも返事がなくて、
「祥太?」
「ん?」
2回目で返事をしてくれたから、ちょっとホッとした。
「ずっとそばにいてね」
私がそう言うと、
私のほどいた髪を撫でた。
「ずっと離れないでね」
祥太は、撫でていた手を止めて、ポンポンとした。
「ずっといるよ」
「ずっとだよ?」
「ははっ……ずっとな」
「ずっとって、一生ってことだよ?
祥太……わかってる?」
祥太は、私の顔の目の前まで下がってきた。
そして、私の頬を撫でた。
「わかってるよ。
一生、そばにいなよ」
そう言ってまた、ぎゅっと抱きしめてくれた。
ヤキモチを妬いたり、不安になったり、
好きって思ったり、嫌われたくないって思ったり、
私の心はいつも、
祥太に揺さぶられる。