「約束」涙の君を【完】




「それよりも、前?」




「それ以上は、教えねぇ」




「また!教えねぇは、なしって…」



祥太に手を伸ばしたら、


手首を掴んで、ベッドに押さえつけられた。



「教えたら何してくれんの?」





「え……?なにって……




なに……してもいいよ……?」



祥太は、くくくっと目をそらして笑った。




「じゃあ、教える」




「う、うん」




祥太は、ぐっと顔を近づけた。




「ひとめぼれ」







そう言った瞬間、唇を塞がれた。




ひとめぼれって?


どういう意味?って、



聞きたかったんだけど、




ちょっと、今までにないぐらい、


激しいキスに、



息もできなくて……




祥太の唇が、首筋に下りると、


そのままブラウスのボタンを外された。




祥太になら、いいって思った。



不安よりも、緊張の方が強くて、


胸がドキドキした。





今まで知らなかった祥太と、




今まで知らなかった自分を知って、





恥ずかしい気持ちと、



嬉しい気持ちが、行ったり来たりして……





男らしい祥太の背中に、




手を伸ばした。











< 206 / 266 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop