「約束」涙の君を【完】
「それよりも、前?」
「それ以上は、教えねぇ」
「また!教えねぇは、なしって…」
祥太に手を伸ばしたら、
手首を掴んで、ベッドに押さえつけられた。
「教えたら何してくれんの?」
「え……?なにって……
なに……してもいいよ……?」
祥太は、くくくっと目をそらして笑った。
「じゃあ、教える」
「う、うん」
祥太は、ぐっと顔を近づけた。
「ひとめぼれ」
そう言った瞬間、唇を塞がれた。
ひとめぼれって?
どういう意味?って、
聞きたかったんだけど、
ちょっと、今までにないぐらい、
激しいキスに、
息もできなくて……
祥太の唇が、首筋に下りると、
そのままブラウスのボタンを外された。
祥太になら、いいって思った。
不安よりも、緊張の方が強くて、
胸がドキドキした。
今まで知らなかった祥太と、
今まで知らなかった自分を知って、
恥ずかしい気持ちと、
嬉しい気持ちが、行ったり来たりして……
男らしい祥太の背中に、
手を伸ばした。