「約束」涙の君を【完】
私たちって、こんな風に見えるんだ……
初めて客観的に見て、不思議な感じがした。
「優衣が、良い表情してる」
写真を見つめていた祥太は、
私を見て優しく笑った。
「どれ投票した?」
投票台から顔を上げた人が隣の人に話しかけた。
「うちは一年だなぁ」
「マジで、同じじゃん」
「やっぱ純粋な感じがいいじゃん。
まだちょっと距離あります的な。
手を繋ぐだけで精一杯です!みたいな」
「あーわかる!2、3年のやつは、もうやりまくってそう」
投票箱に入れると、みんな校舎へと歩いて行った。
純粋……
手を繋ぐだけで……
祥太はくくくっと笑った。
「思いっきり裏切ってんな」
えっ。
祥太は私の手を引いて校舎へと向かった。
裏切ってるって、それは昨日……
祥太を見ると、うっかり目が合ってしまって、
急に恥ずかしくなった。
「何、顔真っ赤にしてんの?」
「えっ、え?ええ?」
私は繋いだ手と反対の手で、頬を抑えた。
祥太は、そんな私の様子を見てまた、
くくくっと笑った。