CINDERELLA STORY~貴方に巡り会えた奇跡~
あはははっ!!

そんな訳ないに決まってる

そう思った私は、漸く篤人が説明してくれた小学校や中学校に視線を向けて見たのだが、私が振り向いた時には既に学校は車の後方に小さく見える程度だった

長閑な田園地帯

緑豊かな景色

学校は小さく見えただけだったが、此処が篤人の育った町なのかぁ~

私はアメリカ西洋海岸にあるロサンゼルスで育った

潮風が運ぶ温かな気候

年間の雨量も少なく、常にカラッとしていて温かいのが特徴

その他には高層ビルや美術館などもあり、ハリウッドスターも多く住んでいる場所はセレブ御用達のお洒落な店も多い

セレブでなくても観光客目当てなショップ多く、一見華やかな場所だと思われるけど一歩路地に入れば治安も悪く、ホームレスやストリートチルドレンなどが存在している

私の住んでいた場所は、ビバリーヒルズの郊外だった

日系人や日本人も多く住んでいて、場所によっては日本語で通じる店があったりするし、日本語の看板とかさえ目にした事もあった

ロスから日本に帰国し移り住んだ場所は、横浜の外人墓地近くの西洋風の洋館だった

横浜も高層ビルが立ち並び、お洒落なショップも多くあって、どことなくロスまではいかないが似ている気がしたけど、日本は何処に行っても治安の悪さを感じなかったが、案外呑気なロスと違って横浜や東京は全体が分刻みに忙しいのだって肌で感じたのは確かだ

そんな篤人は育った町も太平洋の風が吹き、緑豊かな山々に囲まれてとても長閑で素敵な場所だった

この場所には分刻みなんて言葉が似合わないくらい、本当に穏やかな風景が広がっている

田んぼや畑、それにお茶畑

千葉のお爺ちゃんの家の雰囲気に似ている気がして、私の心は何だか凄く落ち着いてしまう


「ほら‥‥
 あれが俺の実家!!」

「へぇ~、実家‥‥
 実家?」


のんびりと風景を楽しんでいた私は、一瞬篤人の言葉を聞き流そうとしてしまったのだが、実家って言葉を耳にして我に返ったのだった


「まさか、実家に寄ったりなんてしないよね?」

「何で?
 折角だし、瑠璃を家族に紹介したいんだ
 良いだろ?」


良いだろうって‥‥

そんな爽やかな笑顔を向けられても、私の顔は引き攣るばかり

ってか手土産の一つも持参してないし、初対面として印象とか悪過ぎでしょう

急に篤人の母校に行きたいなんて言い出した私だったけど、篤人の家族にしたら突然の来客

篤人は実家だから気兼ねする事もないけど、私はそう言う訳にはいなないよ

そんな説明を篤人にしても、何で?

なぁ~んて言葉が逆に返される


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