CINDERELLA STORY~貴方に巡り会えた奇跡~
その興奮に、私は戸惑うように篤人に視線を向けてみた


「実は私もRURIの大ファンなんだよなぁ~
 サイン‥‥
 そうだ!!
 サインと写真‥‥」


厳格そうなお父さんまでもがお母さん達に加わり、玄関では大騒ぎになっている


「ほれほれ、瑠璃さんは逃げやしないよ!!
 お客様を部屋に入れてやりなさい!!」


玄関での大騒ぎに気がついたのか、扉を開けて出てきたのは水色と白のストライプ柄のワンピースを着たお祖母ちゃんだった

そんなお祖母ちゃんは、優しげな目で私を見て会釈をしてくれたもんだから、私は深々と頭を下げて挨拶をしたのだった

農家をやっていると篤人は言っていたけど、とてもお洒落で若々しいお祖母ちゃん

そのお祖母ちゃんの機転で、お母さんがお姉さんと奪い合うようにスリッパを出してくれ、私は差し出されたスリッパを履いて、ひとまずお父さんに案内されたリビングへと移動すると、またもやスーツ姿のお祖父ちゃんと対面したのだった


「瑠璃さんが来るって聞いて、この人ったらスーツを着るって大騒ぎだったんだよ」

「似合わんかの?」

「いえ、皆さんとてもお似合いです♪
 あの~、あまりに急な事でしたので手ぶらで来てしまって本当にす‥「なんも、気にする事はないですよ!!
 なんもない、こんな遠い所に来て下さってありがとうね」


ニコやかに笑いながら、私の言葉を遮ったお祖母ちゃん

そして篤人に座りなよって言われて、私は軽く会釈をしてから篤人の隣りのソファーに腰を掛けたのだった


「全く、あんたは照れ屋で困るよ
 こんなベッピンさんを見たら照れるのは分かるけども、怒ってるようにみえるんだよ
 そうそう、瑠璃さんは好き嫌いはあるのかな?」

「好き嫌いですか?」

「何が好物がしないから、私らで適当に用意させてもらったんだが、良かったら沢山食べてなっ!!」


私がソファーに腰掛けた後、お母さん達は大量に手にした色紙を手渡されたかと思えば、デジカメで写真を撮ったりと大騒ぎの中、私に視線を向けては逸らしを繰り返していたお祖父ちゃんに、もしかして私は気に入られてないのかもって冷や冷やしていたんだけど、お祖母ちゃんがお祖父ちゃんを照れ屋だと言ったのだった

その言葉を聞いて私は安堵すると、お祖母ちゃんが一人でキッチンに向かい、テーブルにお寿司などを並べ始めたので、私は篤人に手伝って来るとだけ伝えお祖母ちゃんの方に向かった


「これを運べば良いですか?」

「ありゃ‥‥
 なんも気にしないで座ってなさいって言いたいが、あの騒ぎだもんな~
 なら、これを運んでもらえるかい?」

「は~い♪」


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