意地悪な彼が指輪をくれる理由

「それにしても、秀士先輩に会えるなんて嬉しいです。私のこと覚えてますか?」

「もちろん覚えてるよ。あの倉田だよな」

「はい、あの倉田です」

「どんなギャルになってるかと思ってたんだけど、ビックリした。こんなに綺麗になってるなんて」

「えへへ。ギャルってた時期もありましたけどね」

初恋の相手がイイ男になっているとこんなにも嬉しいものなのか。

デレデレする私を見て瑛士はどんどん不機嫌な顔になっていくけれど、そんなのどうでもいいくらいに嬉しい。

「えへへとか言うなキモい」

「黙れ元モヤシ」

「はぁ?」

改めて会ってみると、やっぱり二人は兄弟なんだなと実感する。

性格とか雰囲気が全く違うから全然似てないと思っていたけれど、鼻の形と唇の形はそっくりだ。

もうひとつおまけに声も似ている。

それにしても大川兄弟、レベル高いな。

私一人で二人のお相手をしているとか、色んな意味でドキドキだ。

……焼き鳥屋だけど。

「倉田はもう結婚してるの?」

「バリバリ独身です。ちなみに振られたばかりで彼氏もいません」

「あ、そうなんだ。俺も独身で、今は彼女もいないんだよね」

「ええっ? そうなんですか? 私立候補します! 付き合ってください!」

「ははは。じゃあ、いっそのこと結婚しちゃおっか。佐藤と西田と同じタイミングで」

「秀士先輩なら喜んで。二次会の時にサプライズ発表しましょっ」

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