意地悪な彼が指輪をくれる理由

「はい、これお土産」

いずみと碧は、私が入院している間、パリへ行っていた。

新婚旅行だ。

「ありがとう。開けていい?」

「どうぞ」

ブルーの箱を開けると、中からロココ調の焼き物が。

パカリとふたを開けると……

「ジュエリーケースだ! 超かわいい!」

白地の焼き物の中に、ピンク色のベロアが敷き詰められている。

指輪やピアスが収められるようだ。

「ありがとう。今日から毎日これ使うね!」

私は一通り土産ではしゃいでから、今日待ち合わせをした本来の目的を思い出した。

「はい。頼まれていたブツ」

紙袋に入ったそれをいずみに差し出す。

「ブツとか言わないでよ。それにしても、いつもながら過剰包装ね」

いずみは笑いながら中身を取り出した。

「大事なものは、ちゃんとしっかり包まなくちゃ」

袋のロゴはもちろん、ジュエルアリュールだ。

そこから紙製の箱を取り出し、その中からベルベットの箱を取り出す。

そしてその中に収められているのは、いずみと碧のマリッジリング。

刻印に出していたのが、昨日届いたのだ。

ちょっとだけ揉めたけれど、無事に入籍も済んだし、新婚旅行も終わった。

あとは結婚式、披露宴、二次会でイベントは終了だ。

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