意地悪な彼が指輪をくれる理由
チャペルは爽やかな秋晴れの光に包まれ、白い壁やガラスが神秘的に輝いていた。
柔らかなオルガンの音が高い天井に反響し、私の全身を粟立たせる。
ガチャンーー
ドアが開く大袈裟な音。
そこに現れた碧は凛々しい顔で一歩進み、きっちりと頭を下げる。
シルバーのタキシードで歩く姿はあまりにも勇ましく、危うく惚れそうだ。
今まで見た碧の中で、一番カッコイイ碧だった。
それに続いて現れた、純白のウェディングドレス姿のいずみ。
ヴェールが光を反射して、なかなか顔が見られない。
いずみのお父さんと腕を組み、ゆっくりゆっくりと歩いてゆく。
真横を通ったとき、ようやくちらりと顔が見えた。
いずみは真っ直ぐに碧を見つめており、ちょっと泣きそうな表情。
涙を堪えるこの切ない顔を見て、他の男が彼女に惚れてしまわないか心配になった。
佐藤碧。西田いずみ。
神に永遠の愛を誓う。
「それでは、誓いのキスを」
碧がいずみの唇に触れた瞬間、神父の合図で羽が舞う。
私は式の間、ずっと鳥肌が立っていたし、誓いの言葉あたりからずっと泣いていた。
親友の結婚式がこんなに感動するものだったなんて……。
瑛士がそんな私を見て、静かに笑った。