意地悪な彼が指輪をくれる理由

披露宴では泣いたまま友人代表スピーチをした。

瑛士のスピーチでも泣いた。

いずみがあまりにも綺麗で泣いた。

碧がカッコ良くて泣いた。

「お前、泣き過ぎ」

なんて言ってたくせに、互いの両親への手紙では、さすがの瑛士も目をうるうるさせていた。

「瑛士だって泣いてんじゃん」

「泣いてねーよっ」

そして、夜。

「チーム対抗テニス部クイズーっ!」

「イエー!!」

秀士先輩も加わり、同窓会を兼ねた二次会が始まった。

「それでは第一問。新郎新婦が2年生の時の、男子テニス部長のフルネームは何でしょう。全て漢字でお書きください。どうぞ!」

今まで散々役に立たなかった私も、司会という大役はきちんとこなす。

人前は得意なのだ。

瑛士はスクリーンに映し出す映像を、パソコンで操作している。

もちろんこれらの映像も、瑛士一人で制作した。

「それでは全チーム一斉に……回答、オープン!」

二次会は私たちの期待以上に盛り上がった。

「正解はコチラ、私がだーい好きな大川秀士先輩でしたー。今日は先輩にスタッフとして働いてもらっています。この会場のどこかにいますので、みんなで呼んでみましょうか。せーの」

「秀士せんぱーい!」

瑛士と考えたクイズが、消化されていく。

瑛士と買いにいった景品が、貰われていく。

私たちの働きは、少しずつ報われていった。

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