意地悪な彼が指輪をくれる理由
瑛士の舌はザラザラしているけど滑らかで、熱くて、もうとにかく恥ずかしい。
「あっ……瑛士っ……!」
声も上ずる。
感覚に負けていることがバレてしまう。
攻められているのは手だけであるはずなのに、全身がビクビク踊る。
何分そうしていたのだろう。
瑛士は舐めるのをやめたと思ったら、私の手を掴んだまま体を起こした。
急加速した鼓動に合わせて視界が揺れる。
「真奈美。お前、危なっかしい奴だな」
瑛士の口調は、酔っているとは思えないほどハッキリとしていた。
「はぁ?」
「俺に簡単に騙された」
「騙してたの?」
「今ならさすがにわかるだろ。俺、酔ってはいるけど泥酔なんてしてない」
泥酔した振りをしていたってこと?
一体何のために?
「初めからお前をここに連れ込むつもりだった。ずっと罠にかけてたんだよ」
「初めからって?」
「最初に電話した時から」
全然わからなかった。
初めに電話を受けた時は、もしかしたらプロポーズが成功したというめでたい報告かもしれないと、のんきな期待をしていた。
飲んでる時だって、純粋に振られて悲しくてヤケ酒したいのだと思っていた。
まさか私を騙すつもりだったなんて、普通そんな風には考えない。
手に力が込められて、グリーンのカバーがかけられたソファーに引っ張り上げられる。
瑛士は素早く私をその場に沈め、馬乗りになった。