意地悪な彼が指輪をくれる理由

「そんなの、やりたいだけじゃん」

「ダメ?」

付き合っているわけじゃないんだから、そんなの、ダメに決まってる。

それに私たちは、いずみと碧のために、これからも会わなければならない。

ここでそういう関係になってしまったら、いつかこじれて支障を来すかもしれない。

なのに、ダメだって言えない。

瑛士を突き飛ばせない。

私も彼を求めてしまっている証拠のようで恥ずかしい。

「真奈美が嫌なら、俺はこれ以上何もしないよ」

何もしないつもりなんて、これっぽっちもないくせに。

色気をたっぷり含んだ不適な笑み。

瑛士は私が抵抗していないことに気づいている。

ドキドキしすぎて心臓が壊れそう。

こんなに気持ちを掻き乱されたのは初めてだ。

「嫌じゃなかったら、どうするの?」

「これ以上のことを、気が済むまでしよう」

これ以上のことって、なんなのよ。

気が済むまでって、いつまでよ。

そうツッコみたかったけど、叶わなかった。

声に出す前に唇を奪われた。

瑛士との初めてのキスは、ほのかにバニラアイスの味がする。

甘くて、ぬるくて、柔らかくて。

私の女としての部分が激しく昂っていく。

「アイス、溶けちゃう」

「いいよ、もう。今はアイスより真奈美が欲しい」

「なにそれ口説いてんの?」

「うるせーな。もう止められないんだよ」

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