好きと言えるまで
「痛めたのか?仕方ねぇな…保健室寄ってくぞ」
落とした私のカバンを拾って、資料室を後にする一宮くん。
資料室に残された三人の姿を見て、私は彼の後を追った。
「‥とりあえず応急処置だけど、後でちゃんと病院行ってね」
保健室の先生は、私の手首に湿布とテーピングをすると心配そうに私を見た。
私の後ろでカバンを持ちながら静かにしている一宮くんは、私の手首をじっと見る。
「すみません、」
「変な痛め方ねぇ、腫れなきゃいいんだけど、あんまり無理しちゃダメよ?」
「はぁい、ありがとうございます」
少し気になることを言われたが、綺麗に処置をしてもらった手首を見るとしっかりとお礼をする。
「じゃ、悪いけど先生このあと会議なのよ、気をつけて帰りなさいね」
「さよなら先生」
「さよなら」
「はいさよならー」
靴を履き替え学校を出ると夕焼けが、私たちを照らした。