もっと傷つけばいい
「――えっと…ソウはさ、どうして人前ではあたしを“妻”だって言って紹介するの?」

口に出した疑問に、ソウはピクリと眉を動かした。

あっ、何か不味いことを聞いちゃったかも。

「いや、その…別に、その“妻”って言うポジションが嫌って言う訳じゃないの。

でも…どうしてなのかな、って。

“彼女”でもいいんじゃないのかなって」

どう見ても、言い訳にしかならない。

言えば言うほど、何だかどんどんおかしな方向へと向かっているような気がする。
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