もっと傷つけばいい
「君は今日から本当に“渚”になった。

だから、堂々とすればいい」

「ねえ、ソウ」

「何だ?」

「どうしてあたしに、ここまでのことをしてくれるの?」

不思議に思って、あたしはソウに質問した。

住むところとお金とスマートフォン、そして“夏子”の抹殺。

どうしてソウは、こんなにもあたしによくしてくれるのだろう?

ソウは不思議そうに、
「君は困ってたんだろう?」
と、言った。

「昔から困ってる人を見るとほっとけない性格なんだ」

ソウは言葉を返した後、ワインを飲み干した。
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