実は、彼女はご主人様でした。
第四章 真人が好きな桜雪
いつもの放課後。

 
いつもの教室。


そして教室内には真人と桜雪の2人、いつもの状況。



「真人、私はこれから呼び出しに応じるために、ここに残る。一緒に残るか?それとも先に帰るか?」



意外な言葉が桜雪の口から発せられた。


いつもなら有無を言わさずに真人を連れていくはずなのに、なぜか今日に至っては無理強いをしない。



「先に帰るって…何で?」

「そうだな、今日の相手は厄介な部類に入ると思うからな」

「厄介?」

「あぁ、最近好意を持たれている教師がいる。今日はその先生の負の感情を頂く。そうすれば、平和になるだろうし、力も蓄えることもできるから一石二鳥だ。そしたら一日も早く真人は桜雪に会うことができるぞ」

「いや、だから、俺にとっての桜雪は…」

「この体は桜雪のものだ。だから一日も早く桜雪に体を返したいと思っている」
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