黄泉送り ~3人の悪霊と1つの願い~
「る、瑠衣さん」
「瑠衣でいいって言ってるじゃん、雅治!!」
オイオイ、いきなり名前を呼び捨てですか?いや、今はそんな事を気にしている場合ではない。
「瑠衣、もしかして、あの人影が見えてるのか?」
「もちろん。ってそれ、さっき私が聞いたんじゃん」
瑠衣は普通に、あの白い人影が見えると答えた。至極当前の様に吐き出された言葉で、逆に思考が停止する。
「私さ、霊感強いんだ。遺伝かな?家は代々宮司で、御祓いとかやってるんだ。だから、ある程度の知識もあるよ」
瑠衣はそう言うと、真顔で俺を見た。
見透かした様な瞳で、心の中を覗き込んでくる。
「知りたいんでしょ?」
ゴクリと唾を飲み込む。
その通りだ。
俺は、今見えている世界の事が知りたい。
「悪霊の見分け方を教えて欲しい」
「だろうと思った」
そう言って瑠衣は隣に腰を下ろした。