君は私の太陽だ
かず君の目線が私の心にズキズキと音を立てて入ってくる。


私とかず君。

告白は、かず君からだった。


背が高くて、バスケ部。試合の度に、応援に行っていた。


帰りは、いつも一緒に手を繋いで歩いた。


バスケをしている、かず君が、輝かしく見えていた。


いくら疲れていても、試合に負けて悔しくても、明るくて、私に泣き顔一つ見せなかった。


そんな、かず君が好きだった。

でも、いつからとか?

分からないけど会う度に、テンション下がってきちゃったんだ。


私が悪いの。


だから…。

お願い悲しい目をしないで!


いつものかず君で居てほしい。

今は、申し訳ない気持ちしか、残ってない。


かず君がバスケをしている姿。
いつもの帰り道。

あの時も。

あの時も…。

嘘はないよ。

だけど、ごめんなさい!しか言えないよ。

これ以上、誰かを傷つけたりしたくない。

私は、何度も思った。

授業、早く終わりますように!

「美佐ちゃん?」


渓君が後ろから話しかけて来た。


あっ。


授業、終わったんだ。


かず君の、視線を感じた時からずっとノートと睨めっこで、下を向いていた。


「早速!愛子に話してくるよ」

「そうだね!」


渓君は、ダッシュで隣の、クラスに行った。


そういえば?


武司君の席って何処なんだろう?


辺りを見渡した。

……武司君!


後ろの方で寝ている武司君を、発見。


窓から、爽やかな風が入ってきて、武司君のうす茶色い髪が揺れている。


絵になるって、この事をいうのかなぁ…。


気持ち良さそうに寝ている感じ。


太陽の光りが時々、武司君を照らす。


同じクラスなのに、端っこ同士なんだね!


何だか、遠い。


「美佐?」


後ろを振り返ると、かず君が立っていた。



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