この未来を壊して下さい。【完】






初めてのお見合いはまだ小学校5年生。





その時の相手が葵だった。





葵の家は当時No.2だったし、そのまま結婚するのか、と本当に他人事だった。





でも、私のしらない間に葵が仕切っていた族は潰され、家もNo.3に落ち、婚約は破たん。





そして、怒った葵の親は...まぁ、他の家と同じように暴力を振るったらしい。





「お前が女だから」





中学生。葵が暴力を振るわれるようになってから、よく言われるようになった。





それもそうかもしれない。





私がもし男だったら、婚約者も女で葵にも迷惑はかけなかったし、弱いからとこんな試験を受けることはなかった。





何が原因かなんてわからない。もともと感情を出さなかった私だから、もしかしたら原因なんて存在していないのかもしれない。





でも、葵に拒絶されるようになってから何も感じなくなったような気がした。





あまりにも感情を出さない私を心配したらしい組員が、一度家から出した方がいいと提案し、今の学校へ転校した。






< 365 / 393 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop