不機嫌な果実
それ以上、何を言うでもなく。

教室の中、

ただ沈黙が流れてた。

・・・

どれだけ時間が過ぎたのか、

気が付けば、授業の終わりを告げる

チャイムが鳴り響いた。

・・・

それと同時にスクッと立ち上がった桃子。

そして、オレをギロッと睨む。

「・・・んだよ?」


「凌也」


「・・・何?」


「この無神経!」

「!!」


…バタンッ!!


ドアを勢いよく開け、

そしてそのまま、ドアを勢いよく閉めた桃子。

消える時見えた桃子の横顔は、

明らかに泣き顔だった。

「・・・ダセェ・・・何やってんだオレ」

そう呟いていた。
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