不機嫌な果実
くれって、何を?

もう一度そう聞くと、

「違う」

そう言って、まっすぐに私を見つめる恭治。


「意味、分かんない。

ちゃんと言ってよ」

首を傾げながら、恭治に言う。



「守らせてくれよ」


「・・・」


「そんなことするやつらから・・・」


「恭治・・・?」


「オレ、ずっと、桃子の事好きだったんだ。

でも、なかなか言えなくて、

ずっと友達でもいいと思ってた。

でも、そんな事があるなら、黙って見てられない。

彼氏として、お前を守らせてくれ」


…ウソ。

恭治って、私の事好きだったの?

全然気が付かなかった。

「そんな事急に言われても・・・

私は恭治の事、ずっと友達としてしか

見てなかったし・・・」
< 22 / 90 >

この作品をシェア

pagetop