嗚呼、愛しの姫君
「―皆の者。今回、奴の被害に遭ったのは…。」


王様は一瞬、言葉に詰まります。
そして、重々しく次の言葉を紡がれました。


「儂のたった1人の娘、カトリーナじゃ。」


―目の前が真っ暗になりました。

まさか姫君が…死…。

足から力が抜け、私はその場にへたり込みそうになりました。
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