こらしめ屋
すると、入り口の方から、カランカランと澄んだ鐘の音が控えめに鳴った。
そちらを見ると、杉原さんが立っていた。
「こんにちは、杉原さん。どうぞ、座ってください。」
あたしがソファーを示してそう言うと、
「ありがとうございます。」
と言って、控えめに、だけど上品にそこへ腰を下ろした。
「えっと、今日は最終確認ということで、来て頂きました。」
「最終…、ということは?」
「はい。準備が整い次第、実行するつもりです。」
「そうですか。やっと…」
そう呟くように言った杉原さんの瞳は、揺るぐことのない復讐への決意と、殺された家族を思い出しての恐怖とが合わさって、静かに暗い光を宿しているような感じだった。
「前回話し合った時のプランと、あまり変わりないのですが、一応目を通してください。」
そう言いながら、あたしはプランの一覧が書いてある紙を差し出した。
杉原さんは、それをじっくりと見る。