こらしめ屋


夏柑は呆然としている両親の前に、いくつかの資料を出していく。



「おい、そこのアホ親。この資料、なんだか分かるか?」



あ、もうエリートキャラの夏柑君は終わりなわけね…

素に戻っちゃってる。



綾瀬夫妻はまだ動揺を隠せずないままに、恐る恐る資料を見た。

そして、一瞬にして青ざめる。



「こ、こここれは…!」


「あたしの死亡届。あんた達が偽造した…ね。」


「な、何故そんなものが、ここに…!?」


「ちぃと調べさせてもらったぜぇ。ついでに綾瀬財閥の裏事情もな。」


「裏事情だと?何のことだか…」


「しらばっくれる気か?往生際が悪いぜぇ?あんたの抱えている、かく……」


「ま、待て!こ、ここ交渉といこうじゃないか!な?な?佐伯くん。」



明らかな動揺。

これはビンゴだね。


この裏事情を調べるのは苦労したんだから。

あたしが奥の部屋にこもって、ずぅ~っと調べてた。


夏柑め。

上手いこと、おいしい所だけ持っていったな。



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