こらしめ屋
「改めまして、こらしめ屋の経営者で、春花っていいます。」
まずは自己紹介。
けど、あえて名字は名乗らない。
「よろしくお願いします。」
「え~っと、名前は、三村…なにさんですか?」
「茜です。三村茜。」
「茜さん。よろしく!」
あたしは明るく答えて、メモ用紙にフルネームを書き留めた。
「それで、茜さんは誰をこらしめてほしいんですか?」
茜さんは、少し間をおいて答えた。
「あのー。……金井守って人なんだけど…」
「金井守さんね。で、なんで、こらしめてほしいんですか?」
メモをとりながら、茜さんに続きを話すように促す。
「守は、私の元カレなんだけど…。あいつ、私の他に二人も女がいたのよ!?」
茜さんは、お茶を一口飲んでから続けた。
「私が浮気に気づいて怒ったら、逆ギレされて、ぶたれたの…。それで、守とは別れたんだけど、悔しくて…!どうにかして一泡ふかせてやりたいの!!」
あたしは、大まかなことをメモし終えると、茜さんに言った。