ピュアラブ!
他愛もない話をしながらショッピングモールに入り、旬のファッションで彩る店頭を抜けCDショップへ。
そこで恭ちゃんが手に取ったのは、ついこの間メジャーデビューしたばっかりの5人組バンド。
「恭ちゃんこれ好きなんだ?」
「好き。インディーズの頃から」
試聴用のヘッドホンを耳に付け、目を閉じる恭ちゃん。
そんな姿も様になってるわ、王子。
目を細め心の中でそんなことを呟きながら、CDを一枚手に取る。
そんなにいいのかぁ…
恭ちゃんの好きなものは何であろうとチェックしておかねば!!
意気込む私を見て、恭ちゃんが一言。
「買ったら貸してやるよ。CD」
「…え?いいの!?」
「ああ。好きになってくれたら嬉しいしな」
そう言ってニッと笑う。
好きになってくれたら、
嬉しい…!?
それがCDじゃなくて、恭ちゃん自身のことだったらどんなに良かったことか…!!
でも、恭ちゃんが望むことならば。
「絶対好きになる!!」
「…無理にとは言わねーけど…」
「好き!!恭ちゃん!!」
「はいはい、サンキュ」
フッと笑みを溢し、私の頭を軽くポンポン。
これこれ!!
昔からあやすように頭を軽く叩く、これ!!
スキだなぁ………
……ただ単にガキ扱いされてるだけかもしれないけど。
てか多分、そう、なんだけど…さ…
「じゃあ金払ってくるわ」
「うん!」