「ねぇ米山くん、どうしてそんなに不細工なの?」
ぶうっと風船みたいに膨れた杏奈は、

「じゃ、いい。クララに聞いてみる」

そう言って、あろうことか俺のベルトに手を掛けた。バックルがカチャカチャと音を鳴らす。



「やめろって!」


必死で抵抗すれば、揉み合いになって押し倒されて。

挙句、彼女に組み敷かれるという無様な格好に。



なんで俺の方が犯されそうになってんの?



杏奈は艶やかな眼差しで俺を見下げ、

「クララはシたいって」

と、妖しく目を細めた。



今度はふわり、柔らかく食むように唇を合わせてくるもんだから、俺もつい、夢中でそれを貪った。



クララに乗っ取られてしまった俺の思考は、チョコの前に杏奈を食おう、と。呆気なく予定を変更。

杏奈の腰と後頭部を抱き、ゴロンと横に転がして上下逆転。



腰から胸へと手の平を這わせ、薄いブルーグレーのニットを肌着ごと捲り上げた。ブラの上から小さな膨らみを包むように撫でれば、「んっ」と。杏奈は口の端から小さな喘ぎを漏らした。


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